おいしいプリンの店

  
 日本の最高学府の大学院を出て、理系を生かして日本有数の上場一部ハイテク企業にて、バリバリ働くイケメンがいる。
 最高学府の理系にはあるまじろモテ男で、勉強も恋愛もそつなくこなす赦し難い奴で、笑うとマッドサイエンティストっぽくなる以外は、ケチの付け所がない。
  
 その男のサイトを見に行ったら、おいしいプリンの店や可愛いキャラクターサイトなどの情報を集めていた。
 「可愛いキャラクターで女の子にお薦めさっ!」と爽やかに推薦するページは、私はものの三分も持たずにページを読むのを断念してしまった。ぷりちぃでふぁんしぃなドぴんくのページに、精神が耐えられなかった。
 「紹介のページ、とても見てられなかった」というと、彼は「吐きそうになりながら読破した」らしい。なんでそんなことを? 
 「けっこう女の子からメールが来るんだよ」 ほ、ほんとか。
  
 興味もない乙女系のページを吐きながら読む。女にモテるための苦行とは、まさにこういうことを言うのだろう。私は、女の子と話を合わせるためにプリンの店を調べたりしない。この努力をする彼は、女の子にモテるのも仕方のないことだと諦めがつく。彼はモテるべくしてモテているのだ。彼の努力には素直に敬意を表する。
 そんな思いまでしてモテたいのか? という疑問を持ってしまうから、童貞なんだろうな。