非モテに集まる関心を考える

  
 おそらくこれから一週間ほどの間に、id:sho_taさんのウェブログに以下のような記事がエントリーされるので、前もって引用します。

しあわせのかたち - [コミュニケーション] はてなな人々  』
 (前略)はてなのコミュニティーでは、非モテ童貞の話さえ書いておけばブックマークが集まり、アクセスも集まる。
 「僕はモテましぇ〜ん」とか書いておけば、それだけでブックマークが楽に38userはgetできる。
 はてなの界隈では、非モテが大モテだ。
 内容なんて無くたっていい。モテないことを嘆きさえすれば、はてなではモテるのだ。(略)
 この現象を見ると、みんな不安なんだな、と思う。そう、みんな不安なんだよ。
 みんな自分のコミュニケーション能力に自信がないから、非モテ童貞を見たいんだ。
 ある人は自分よりも劣った人を見て安心したい。ある人は自分と同じ悩みを持つ人を見て安心したい。(略)
 人はみんな不安なんだ。どれだけ明るく楽しそうに振る舞っている人でも、その本人はきっと不安なんだろう。
 その不安があるから、みんな自分を良く見せようと努力できる。それで正しいのだとも思う。(略)
 コミュニケーションに正しい答えはない。人間の数だけ答えがあるからだ。だからコミュニケーションは面白いし、だからコミュニケーションは常に不安なんだ。
 これはこれで悲しい話だよね。でもそれでいいんだと思うんだよ。うん。きっと生きて行くには不完全さも必要なのだ。
 その不完全さは「謙虚でいるように」という神様からのプレゼントだと受け取ろう。
 私の探しものはまだ見つかっていない。

http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/

 ちょっと長い引用になってしまいました。
 なんか相田みつをみたいな愚にもつかない人間賛美で、敢えてインテリジェンスを感じさせないような語り口*1になっていますが、この「不完全さ」がなければ庵野秀明エヴァンゲリオンを作られなかったわけですね。
 しかし、翔太さんが言うように、コミュニケーションに不安だから、そして安心したいから、非モテネタがはてなで人気なんですかね?
  
 恋愛が人生の最重要テーマの一つになりあがって以降、ドラマでも歌謡曲でも、どのジャンルでも関心事は恋愛になったわけですよ。
 しかし、安定して上手く行っている恋愛は、他人から取ってみれば特に語るべきこと無い取るに足らないつまらない話に過ぎません。末永く聴き続けられる歌は失恋ソングが多かったりするわけですよ。
 でも、ウェブログで失恋話を書かれても「大丈夫? 元気出して!」みたいな、ウェットに上っ面で慰めるぐらいしかやることがありません。居心地が悪いわけです。
 ところが非モテの場合だと、カラッと笑えるわけですよ。いや笑うなよ。
  
 非モテというのは、失恋界におけるハゲです。
 本来、身体的欠陥というのは笑いの対象にはできません。
 「この人、隻腕w」とか「足萎えウケル」とか、陰であっても口が裂けても言えません。口裂け女。ギリギリアウトながらロンパリや出っ歯が陰口ではネタになるぐらいですが、それでも相当に後ろ暗い。
 カラッと笑えるのはハゲです。ハゲ。いや笑うなよ。
  
 しかし、笑ってはいけないといわれても、くしゃみをした瞬間にヅラが飛んだら笑いますが、鼻がもげたり入れ歯が飛んだりしたら、、、、、入れ歯は笑うかな。
 でも、ヅラほどの安心した笑いは他に無いわけです。世界平和に通じる安心感です。
 ハゲは心の平安なんですよ。差別の中の安全牌、それがハゲなのです。ハゲ。ハゲ蛙 負けるな ISSA ここにあり!
  
 現代最大の関心事である恋愛の中で、差別の中の安全牌、それが非モテなんじゃないかと思われます。
 *2
  

*1:「38users」って、2より多くなったら複数形を使いましょう

*2:さて、id:sho_taさんは、一週間以内に期待に応えてくれるでしょうか? パスは出した。翔太くん、あとは任せたよ