機内での電子機器のご使用をお控えください
過日、沖縄に行ってきた。
その帰りに飛行機で、携帯電話の電源を切ったつもりでいたのだが、飛行機を降りて電源を入れようとすると、既に電源が入っていた。
乗る前に確実に消したつもりだったのだが、アルツハイマーなのか天狗様のいたずらなのか、不思議と電源が入っていた。
「もっとしっかり確認せんか、この莫迦たれが!」という話なのだが、天狗様の仕業なら言っても詮無い。
着陸後に気が付いたわけだから、無事に到着しているということである。
何故、離着陸時に全ての電子機器のご使用はお控えねばならず、飛行中は携帯電話の電源をお切りせねばならないかというと、それらの発信する電波電磁波が飛行機の計器に影響を与えるからである。
現在まで、携帯電話の電波が原因で飛行機事故が起きたという報告はないそうである。
ただ、計器の異常から、調べてみたら電子機器を使っていたり、携帯電話の電源を入れっぱなしにしている莫迦がいたことがわかった、という事例が何件かあったそうだ。
しかし、毎日世界中でこれだけの飛行機が飛び交っている中で、件数としては極めて少ないケースである。
ハイジャック事件などでは、人質が機内から外部に携帯電話で連絡を取るということがある。
そして、モバイル機器ユーザーのためのポータル『ポータブルライフ・コム』のゲリー・パーディー最高経営責任者というオッサンは、「電子機器が計器の誤作動の原因になる可能性を指摘しつづけているが、それを証明できた人はいない」として「何らかの科学的証拠があるようには思えない」と言っている。
多少でも危険の可能性があるならば、死亡事故に繋がることであるから、少しでも可能性を排除していくという考え方には賛成である。
ただし、それが大いにコストのかかる場合には、そのコストパフォーマンスを考慮に入れる必要がある。
「安全」というのは、突き詰めれば際限のないものであり、飛行機に乗ること自体が既に「完全に安全」な行為ではない。
本当に電子機器が危険であるのならば、心臓ペースメーカー等の医療器具は、何故に常時使用可能なのだろうか?
ペースメーカーは電磁波を発していない、ということなのだろうか?
もし、ペースメーカーが電磁波を発しているならば、その電源も切り、使用を控えるべきなのではないか?
ペースメーカーを切ることはできない、というのであれば、そもそも飛行機に乗るべきではないのだろう。
なにしろ、その一人のために、他の乗客の命が危険にさらされることが許されて良い訳ではない。
そのペースメーカーの人が、その飛行機に乗らなければ死んでしまうというなら、まだ必要性もあるが、それでも飛行機を貸し切り、自ら操縦するか、同意してくれるパイロットを用意するべきだろう。
つまりどういうことかというと、飛行機会社自体も、そんなに危険だとは思ってないのではないか?
もし本当に危険だと思っているのであれば、私のように消し忘れたか天狗に狙われたような輩を、虱潰しに調べるだろう。
「切ってね」と言っておく程度のコストで充分な「危険」という認識なのは間違いない。
だとしたら「計器に影響を与えて危険だから全ての電子機器をお切りください」というのは、あまり言い過ぎると、ペースメーカー利用者は逆に不安になってしまわないだろうか?
飛行機に乗っている間に、どうしてもかけないといけない電話など、私はハイジャックでも起きない限りないわけで、使わねばならない電子機器もない。
沖縄の海の低空飛行でビデオカメラを回したいとは思うけれども、そんなことは我慢すれば良い話なので、しない。
どうしても必要という人間はどれだけいるのだろうか?
私としては、危険はおそらく少ないと思うが、全ての電子機器を使用禁止にすることに賛成する。
というのは、実際に機内で携帯電話で話をするヤクザや、注意されてもビデオカメラを使う親子を見ているからである。
私自身が遭遇したことはないが、日経新聞の記者など、機内でタバコをすって降ろされるような人も存在する。
「携帯電話や電子機器を使わない」というルールは、ルールも守れないDQN判定としては、なかなか良いテストではないかと思うのだ。
こういうDQNをリスト化し、二度と飛行機に乗せないようにすれば、快適な空の旅にも良いのではないかと思うからである。