商品を毀損してもよろしいでしょうか?

  
 くだらないものを買ったんですが、買ったものについてはくだらないものなんでいいとしまして、購入時に「袋は要りますか?」と聞かれたんですね。まぁ、たった一点を購入しただけだったので、バッグにも入るものだったので「あぁ、要らないです」と素直な私は答えてしまったわけなんですが、その瞬間にテープを“ビーッ”“ペタ”と貼られてしまったわけですよ。
 まぁ、購入したものは、本当にどうでもいいものだったんでいいんですけど、昔のトラウマを思い出してしまいました。
  
 あれは忘れもしない随分前、何年も前の出来事です。
 私は空港で、搭乗までの待ち時間に空港の書店で時間を潰していました。すると、思いもよらない雑誌に某格闘家が表紙に出てて、しかも特集されているではないですか! 永久保存版ですよ!
 まぁ、成人男性向けの雑誌だったんですが、その表紙には抗し切れず、ソレを買いに行ったわけですよ。マッチョが上半身裸で写った表紙の成人男性向け雑誌を手にレジに並び、レジの女性に差し出すと、言われたんですね。
 「袋は要りますか?」
 まぁ、旅行用のデカい鞄を持っていたので、すぐそこに入れようと思い「あぁ、いいです。要らないです」と素直な私は答えてしまったわけなんですが、その瞬間にレジの女性はヒクソングレイシーの乳首にテープを“ビーッ”“ペタ”と貼ってしまったわけですよ。
 おいおい、なにしてくれるんだよ。こちとら永久保存版にするつもりなんだよ。
  
 「いや、ちょっとテープは困るんで、新しいのと替えて貰えますか?」と探しにいくも、その一冊しかなかったし、レジの店員も「テープ貼っちゃったんで返品は困ります」とか訳のわかんないことを言ってるし、このまま飛行機に乗ってしまえば、雑誌なので帰国するころにはもう店頭には並んでないだろうし、わざわざ誰かに頼んで買って貰おうにもマッチョが上半身裸で写った表紙の成人男性向け雑誌だし。
 つか、二度と店頭に並べられないような状態にして客に渡すなよ。
  
 テープを取ろうとすると破れたり、破れないまでも貼られたところがブヨブヨ浮いて波をうったり、粘着跡がついたり色が変わったりするわけですよ。勘弁してくださいよ、ホントに。
 ビニールで包んであるものならともかく、紙の商品にテープを貼るって、それは最早、商品の価値を著しく低下させているわけですよ。
 なんだ、B4サイズの雑誌に「カバーをかけてください」とでも言えば良かったのか?
  
 いやまぁ、他の人なら読み捨ての雑誌かもしれません。わざわざ海外に持って行き、再び持って帰国するとは思わないかも知れません。でもね、「袋は要りますか?」と聞かれたからといって、商品の価値を著しく低下させていいもんでもないでしょう。
 「商品をちょっと破壊してもよろしいでしょうか?」と聞かれれば、私は「とんでもない」と答えました。袋に入れるか、テープを貼るか、どちらかが絶対に必要ならば、「袋は要りますか?」の後に、いきなり貼らずに「テープを貼ってもよろしいですか?」と聞いてくださいよ。
 「袋は要りますか?」と聞かれたら、こっちは人が好いんだから隙を突かれて「いいです」とつい答えてしまうんだから。
 というか、「袋は要りますか?」に「いいです」と答えたら、テープを貼られることは覚悟して答えないといけないのがデフォルトなんですかね? いちいちそんなことを常に念頭に置いて買い物しないと、この現代社会は生きていけないんでしょうか?