文字情報からのイメージ脳内補正機能

  
 翔太 『しあわせのかたち』 ほとんどの男性ブロガーはほとんどの女性ブロガーのことを「かなり可愛い」と思っている
  

ほとんどの男性ブロガーは、ほとんどの女性ブロガーのことを(特にコメントのやり取りを交わしている女性ブロガーを)「かなり(容姿が)可愛い」と思っている。と思う。
はてな界隈ではそれはほぼ間違いなくこの人*1のせいだ。

http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/20070518#1179437127

  
 私もこの人が、女性に対して血も涙もないような非常に酷いことをいう残酷な人だとは思っていますが、これに関しては、そこまで悪くないと思うのです。
  
 というのも、女性は、もちろん男性も、ネットでは自分の良い面ばかりを出そうとするし、ネットになると情報が制限される分、逆にかなり情報のコントロールが利きやすく、思ったとおりの、出したい自分を出すことが、生身によるコミュニケーションよりも容易です。
 例えば、チャットとかリアルタイムの交信では別ですが、ウェブ上やメールなど、タイプした後に送信するまでのラグで、嫌な部分が出そうになるのを思いとどまったり、表現を和らげたりできるわけです。
 さらに言えば、文字だけのやり取りであるとするならば、好意を多めに表現しても、自分の身に危険がすぐに現れるわけでもなく、なおかつ、実生活に比べて「生きていくために」などのしがらみが比較的にほとんど無い分、容易く「良い人」を演じられるので、実際はネット上は生身よりも「良い人」が多いのではないかと思われます。
 そして何よりも文字だけで生身が無いということは、瞬間的な表情や感じた嫌悪を悟られる、という最も大きな要素がありません。作り笑顔が苦手でも、ネットでは優しく振舞える。
  
 例えば「僕は非モテなんです。でもモテたい。ただ自分だけがモテて他の非モテの人が苦しむなら解決はしない。みんなが幸せになれるといいのに」みたいなことを言うと、女性から「本当に良い人なんですね。優しすぎるぐらいに思います。私はそんなところにとても魅力的に感じます」とか、なんかもうね、みんなで良い人と優しさの飽和状態になっちゃうわけですよ。インフレ起こしちゃってるわけですよ。優しさの膨らし粉や〜ん。
 それはそれでいいんですよ。社交辞令は世の中を円滑にするし、id:hebomeganeさんは私も非常に好きなキャラクターを持っています。なにしろ、私がここ数日で他人のウェブログのコメント欄に残したコメント数の半数以上はヘボメガネさんのところです。ヘボメガネさんも大喜びしてくれているようです。
 ヘボメガネさんの何が良いと言って、その許容力です。どんな攻撃的ネタも素直に受け取って、それをそのまま「受けたらこんな目に遭いました」と出せる懐の深さ。なにしろあの大野さんまでが「お前を見るとウジ虫を思い出すんだよ!」と書くほどです。そんなことができるのも、ヘボメガネさんの器の大きさを信じているからのことでしょう。
 でだ、私が問題にしたいのは、その「本当に良い人なんですね。とても魅力的に感じます」という女性ね、悪いとは言いません。社交辞令は大事です。でもね、こういう人も生身で非モテと交流を持つときには、学校や会社で非モテと会話をした後には「マジ、キモい〜。ねっ、ホント、キモいよねぇ〜。『ぼ、ぼ、僕で良いんですか?』だってwwww もー超ウケるぅ」とか言ってたりするんですよ。ムカツクなぁ。
 とにかく、ネットでは生身のコミュニケーションよりも優しくなるし、優しくする。人が多い。
 そうすると、優しい人には、良いイメージを投影するものだし、ネットでスマートな身のこなしで書いている人は、格好良いイメージを持たれるわけです。そうすると、実際よりも優しくて好印象な外見イメージも持たれるのです。
 私のように、非常に爽やかな文章を書く人間で、実際に会ってみるとそれ以上に爽やかだという極めてイメージを超える例もあるんですけどね。
  
 そもそも、ある程度の好意を持っている相手で、生身で会うことが少ない異性は、会わない間に脳内補正が効いて、非常にイメージが美化されることがある。
 そう、遠距離恋愛などを例にとって見ると、私の遠恋経験者調査において、男側オンリーの調査ですが、訊いた男は全て「久しぶりに会ったときに『あれ? こんなもんだったっけ?』と思いながら、一緒に過ごしているうちに『やっぱ可愛いよなぁ』となり、帰って会えない間はまたさらに美化されていって、会うとまた『あれ? こんなだったか?』を最初のうちは繰り返す」と言います。
 対面していない好意を持った相手というのは、自然と美化されていくもののようです。

*1:引用者注※id:pal-9999さんのこと