リサイクルヒット

  
 またシモネタ大王的な感じで引き続き環境問題について。
  
 ペットボトルにはリサイクルマークというのがついていて、矢印三つで三角形ができていて、下の部分に「PET」と書いてあり、その三角の中心部分に数字が書いてある。
 ペットボトルが出始めのころ、この中の数字はリサイクルされた回数で、回数が多いほどリサイクルされていると聞いて*1、私はわざわざ数字の少ないものを選んで買っていたりした。非協力的だったわけだ。
 しかし、あるころからは全くチェックせずに買うようになった。物によっては箱買いしたりするからだが、それ以外でも、いちいちチェックするのが莫迦らしくなったからだ。
 別にこれはリサイクルに協力的になったからではない。リサイクル回数を気にしなくなったからでもない。
 ほとんど全ての数字が「1」以外は見なくなったからだ。
  
 試しに、今、家にあるペットボトルをとりあえず六十本までチェックしてみたが、見事なまでに全てが「1」になっていた。
 ノーチェックで買って、全てが「1」だったわけであるから、店でチェックするのが莫迦莫迦しくなってやめた理由もわかろうというものだ。
 というか、ペットボトルはリサイクル用の資源ごみとして分別しているわけだが、にもかかわらずどうしてほとんど全てのペットボトルが製造されたばかりの「1」ばかりなのか?
  
 実はペットボトルは、ペットボトルとしてリサイクルされていない。
 ペットボトルをリサイクルしようにも、質の悪い繊維ぐらいにしかならないらしい。
 しかも、そのリサイクルは、多額の費用がかかった上で質の悪いものにしかならない上に、しかもそのリサイクル工程に、多くの石油が必要とされて、石油から新品を作るほうが、コストも手間も品質も、全てにおいて勝っている。
 まして、ペットボトルにリサイクルするには、あまりにも効率が悪すぎるため、やっていないのが現状のようだ。というか、材料の石油よりも、リサイクル工程に必要とされる石油のほうが多く必要で、当然ながらコストも比較にならないほど必要で、実質的にリサイクルする意義が全くの皆無であるというのが理由らしい。
 さらには、ペットボトルが実際に資源としてリサイクルされているのは、3%程度で、逆に言えば、リサイクルとして分別されたペットボトルの97%が、焼却されているらしい。燃やされているわけだ。ならば、可燃ごみとして一律に一回で収集したほうが、人手やコストや手間はもちろん、運送に関する石油の消費も少なくて済む。
  
 とにかく、リサイクルというのは実質的に成立していないようだ。
 そりゃ全てのペットボトルのリサイクルマークが「1」の数字であるのもむべなるかなという感じがする。

*1:真偽は不明