実は私はネナベでした

  
 「瀧澤達也」と書いて「このはなさくや」と読みます。
 これからは「このはなさくや」姫と呼んでください。
 ネットでくすぶっている石長姫の皆さん、これから、はてなー女性陣の一員としてよろしくお願いしますね。
 今日から私も、他の女性と同じく、抑圧され、消費される側の仲間入りよ。
 ネットで今まで不特定多数に「オトコ」を演じて女に媚を売ってきたけど、これでやっと自由に自分らしく振舞うことが出来るの。
 これからは、女としての性を前面に出して「傷ついた」「むかついた」「こんな酷い扱いを受けた」と被害を訴えることが出来るわ。
 私も女としての性を利用して、消費して、同情を買うの。そしてそのうえで言うわ。「私は女を利用する女にはなりたくないわ。男に媚びたくないわ」と。
 私は女であり、性犯罪被害者で、売春婦で、非コミュで、障碍者で、尋常小学校卒で、低収入で、還暦過ぎてて、黒人で、そのうえイボ痔です。
 これらを疑って私を批判しようとする人がいたら、その人は人非人の差別者よ。
 私以上の被差別者が証拠を持って現れない限り、私のことは疑うことすら許さないんだからね!
  
 さて、マイハニーの外見について

外見についてごちゃごちゃ抜かす前に、まずお前の顔写真見せてみい。俺は写真を見ない限りは、お前らの容姿なんか信用しない。タッキーの顔が桜井和寿葛山信吾に似てるってのも、信用してない。つーか葛山信吾の顔ムカつくんですけどっ!

http://blog.goo.ne.jp/funamushi2/e/25d8cd7a0454741c7f6b5e19cef876c1

 と書かれていたことについて、nanaが次のように書きました。

nanaも本人が言ってるだけの話って信用しないんだよね。
性犯罪の被害にあってるっていうなら証拠出して見せてよ。
物証でも第三者の証言でもあったら信じるよ。

http://d.hatena.ne.jp/sweet_nana/20070909#p3

 それに対して、はしごたんさんは刑法〜 性暴力で苦しんでいる女性に対して「証拠を見せろ!」と言うほど酷な話はありませんというエントリをあげています。
  
 被害者の心を慰撫するという観点から言えば、何一つ異論はないのですが、しかしそれって思いっ切り論点がズレていますよね。
 道徳としての「性犯罪被害者を慰める」ということに対して、ルックス故に痴漢被害に遭いやすいnanaも、おそらく異論はないことでしょう。
 しかしこれは、ただ目の前にいる被害者にどう接するか、という問題でもないでしょう。
  

私に「性犯罪の被害の証拠」はありません。
ですが法律的には、被害者が「告訴」すれば、証拠はなくても「親告罪」として成立します。
法律では上記 [刑法第一七七条] およびその近辺の条例の通りで、「告訴するには証拠が必要」などとは何処にも書いてありません。

http://blog.goo.ne.jp/funamushi2/e/aa51301ac0f90e1afc9f7d04293a37bc

 通常、刑事事件において、被害者が告訴するのに、証拠が必要などと言うことはありません。
 空き巣や引ったくりなどで物を盗られた場合、被害者が自ら証拠を集めた上で、告訴に至るということはまず有り得ない話です。
 警察に被害を訴え、被害届けが出されたら、警察や検察など捜査権も有するものが、捜査に当たり、証拠や証言を集めるわけです。
 つまり逆に言えば、「告訴するには証拠が必要」なはずがないのです。
  
 はしごたんさんは、「告訴するには証拠が必要」でないということと、「親告罪である」という点で、犯罪として成立している、ということですが、むしろこれは逆で、殺人や暴行などの他の罪が「告訴」や「告発」がなくても犯罪用件が成立するのに対して、「親告罪」は「告訴」がなければ「公訴」が成立しないマイナス方向のものです。
 「親告罪」は「告訴」があって初めて他の犯罪と同じように「公訴」されるわけですから、そこでようやく他の犯罪と同じように、捜査されて裁判に至る可能性がある、ということになります。
 そして、裁判の中で、法的にその犯罪要件が成立するのかどうかが争われるわけですが、nanaが言っているのは、そういう「法的に認められる」かどうかの話ではなくて、ネットで自称する根拠のほうでしょう。
 実際に告訴してようがしてなかろうが、ましてや被害に遭っていなくとも、ネットでは自称できる、という話です。
  
 「ネットに写真をアップする」という「証拠」がないと「認めない」のならば、はしごたんさんは、被害届が受け付けられた警察署や日付、被害者の氏名や住所、そしてそれがはしごたんさんと同一人物であるという証明するもの、これらがアップされて、ようやく「認められる」ということになるでしょう。
 私がnanaの写真を何枚も見て、芸能人みたいな美人であると認めて、さらには私がそれをオフで何人かの人に見せるという「証拠」があるほうが、より信憑性のほうが高いと思われるわけですが、それでも信用しないと言うのであれば、証拠能力としては弱い「私は被害者だ」という主張が信用されなくても仕方がない、という話に過ぎません。
  
 「お前らのことなんか信じないぞ」でも「私の話は証拠はありませんから、信じてもらうしかない」そして

「証拠を見せろ!」などと、追い詰めるのは殺人にも等しい非道な行為です。

http://blog.goo.ne.jp/funamushi2/e/aa51301ac0f90e1afc9f7d04293a37bc

 というのは、なんぼなんでも無茶でしょ。
 別に誰も「一般的な性犯罪被害者への正しい接し方」という話をしているわけではないのですから。
  
 はしごたんさんが、ただ被害を訴えているだけならば、nanaだって相応に同情するでしょうし、憐憫の情も寄せるでしょう。それはそれで心情的には不本意かもしれませんが。
 しかし「証拠もないのに信用できるか」とはしごたんさんがnanaに言うのならば、それははしごたんさんが自ら撒いた呼び水でしょう。少なくともnanaには「証言」があるわけなんだし。
 しかも、はしごたんさんは「自分のほうが不幸である」という根拠で他者に「攻撃」を加えるならば、なおさらその「不幸である証拠」を求められるでしょう。
 私が「女であり、性犯罪被害者で、売春婦で、非コミュで、障碍者で、尋常小学校卒で、低収入で、還暦過ぎてて、黒人で、前科者で、そのうえイボ痔であるが、証拠はない。疑うことすら許さない。はしごたんさんが私に反撃することは、私よりも幸せなんだから許さない」と言ったら、黙って引き下がりますか? まぁ、別の理由では黙って引き下がるかもしれませんね。
  
 何故か「はてな」では通用しているようですが、「私は信じないし攻撃するが、私のことは可哀想なんだから信じろ、そして反撃は許さない」なんてのは、普通は通用しないでしょう。
  
 おそらくほとんどの人が、はしごたんさんの被害の事実を疑っているわけではない。
 でも「私は不幸だ」を根拠に、他の人に対して加虐的に振舞うときには、それが自分に返ってくるということも、避けられないでしょう。
 加虐的に振舞うのをやめるか、反撃を受ける覚悟を決めるか、どっちかでしょうね。
 加虐的に振舞うけれども、反撃をするのは許さない、というのを認めるのがはてな風なのかもしれないけど、その空気は私には違和感がある。そんな空気があるのかどうか良く知らないけど。
 傷ついていようが、傷つきやすかろうが、それで多少の配慮をされるのはいいにしても、アンタッチャブルな存在を作るのは具合が悪い。
 私は逆にはしごたんさんを、普通の人として扱いたい。