丘の上の莫迦は沈む太陽に回る地球を見ている
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内容自体は私宛ではないのと、私はただ知っている情報を証言しているだけであるから、それはともかくとして、以下のような記述を見た。
私は
http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070926/1190775019瀧澤達也このはなさくや姫さんと違って、私の目で見たものしか信じません。
この「自分の目で見たものしか信用しない」というのは、いわば言葉のあやではあるのだろうが、なにか自分が頭が良いことを言っていると思っているか、あるいは何か格好良いことを言っているつもりのような感じで使われることが多い。
「自分の目で見たものしか信用しない」っていう私は周りに左右されない格好良い生き様だと思わない? という空気を醸し出しながら言う人が性別問わず多い印象だ。印度象だ。
自分の目で見たものしか信用しないって、どんな狭い世界だけで生きてるんだよ。
江戸時代の百姓だってもっと広い世界で生きてただろ。
太陽のほうが空を動いているのを、昨日も見たし今日も見た。太陽は東の地平から昇り、てっぺんを通って、西の地平に沈んでいく。
お日様のほうこそ動くんだよ。それをこの目で見てるんだよ。見たことないの?
私は「自分の目で見たものしか信用しない」という人を『天動説の人』と呼んでいる。これが意外に多い。
その生き様を徹底するのであれば格好良いのだが、残念ながら、自分の目で見たものしか信用しないで生きていくのは殊の外難しい。当たり前だ。
地動説を信じるためにいちいち惑星の運動を観察して、ケプラーの法則から計算して、それから「よし、俺は自分の目で見たから地動説を信じるぞ」なんて、効率が悪過ぎる。
「それでも地球は回っている」の言葉が有名なガリレオは、地動説を唱えたことで異端審問を受け、終身刑を言い渡された後、軟禁生活を余儀なくされたと言われている。
ガリレオは晩年、両目を失明している。失明した後も、口頭筆記で執筆活動をしている。
地動説の支持者だったガリレオが両眼失明しているのに対して、「自分の目で見たものしか信用しない」と言いながら、太陽が沈むのを毎日のように見ているのに、なんとなくその地動説が正しいと思っている人がいるというのは、なんとも皮肉な話だ。
少なくとも、自分で自分を見れば、自分の目で見たもの以外を信じている自分が見えるだろうに。
自分で見たものは信じるとするならば、マギー審司もミスターマリックもナポレオンズもみんな超能力者だ。
自分の目なんかを、そこまで信じられるということは、ちょっとだけ羨ましい気もしないでもない。