日本のカルチャーは世界二イイィィィー!!

  
 先日、見るともなしにテレビをつけてしまったところ、画面にスマップの香取と古館伊知郎が映ってました。
 どうやらスマステーションに古館がゲスト出演していたようで、なんかのビデオ明けで二人でコメントしていたようで、コメント振りから想像しますと、どうやら欧米での「日本ブーム」に関することのようでした。
 マンガやアニメなど、日本のポップカルチャーが大人気で、日本が憧れの対象になっている、という紹介だったらしく、それについて香取がコメントし、古館が頷くという光景でした。
 コメントの大意は「日本が人気があると言われても信じられない。好意的な極一部の人間だけを取り上げていたり、好意的なコメントだけを選んでいるんじゃないかと懐疑的に見てしまう。そうではなく、日本の輸出文化が受け入れられているというのが本当だとしても、どうしてもこそぐったいような、素直に喜べない妙な気分になってしまう」という感じの違和感を表明したものでした。
 このコメントは、私にとって非常に興味深いものでした。
  
 おそらく、押井守宮崎駿大友克洋鳥山明浦沢直樹尾田栄一郎は、日本のサブカルチャーが憧れの対象になっていることについて、香取が感じたような違和感は覚えないであろうと思うわけです。
 例えば、日本はハイテクが凄いとか経済が凄いとかサブカルが凄いとか、欧米人から評価され羨望されると恥ずかしいような妙な気分になる人がいるとするならば、その感情が起こるメカニズムというのは、それに対して、自分の功績がないこと、から生まれてくるわけです。ハイテク産業の最先端にいる日本の技術者は「ハイテクの国・日本」と言われて恥ずかしがるわけがないからです。
 いくらJ-POPがハマアユが代表であるとはいえ、男の代表でもあるSMAPの香取が違和感を覚える必要はないんじゃないかと思うわけですが、このあたりはおそらく、小西康陽のように自分で作詞作曲して認められていれば、恥ずかしくないんじゃないか? ジャニーズという作られた「アイドル」だから感じるのではなかろうかと考えるわけです が、まぁ、どうなんでしょうか?
 ただ香取と、雰囲気に飲まれただけかもしれませんが賛同した古館は、「世界で評価される日本人は凄いですね」というスタンスでいるべきであって、「信じられない」とか「妙な気分」とか言うのは、認められるほどの功績をした人間に対して、失礼ではなかろうかと思うわけです。
  
 逆に考えると、J-POPとして功績のあるSMAPの香取が日本が評価されることを恥ずかしがっているのに、ネトウヨDQNの方々は、いくらこれまで「日本は世界の嫌われ者」という嘘の情報に騙されていたとはいえ、日本が世界で高い評価をされている、という情報に新たに触れたときに、何の功績もない上に、何の恥ずかしげもなく、日本人であることを素直に誇れる、というのは、どうなんだろう?
 もちろん世界基準で言えば、自分と関係あろうがなかろうが、自国を評価されれば喜ぶのは当然であるわけですがね。

 しかし、このサブカル文化の輸出というのは、日本への親近感を筆頭に、日本に対して有形無形の多大な恩恵をもたらしています。
 日本が断トツの先進国であるロボット工学分野の功績も含め、今更ながらでも、手塚治虫国民栄誉賞をあげておくべきではなかろうかと感じずにはいられません。
 もっとも、今あげても喜ぶのが手塚眞であるというのが、引っかかるところではありますが。