走れトロい子ほがらかに息の音荒く

  
 心肺機能が低下すると、基礎代謝機能も低下し、身体に脂肪が蓄積したり、スタミナ不足になります。それか。それが原因なのか。私の腹周りはそれが原因なのか。
 とりあえず、壊滅している心肺機能を多少でも復活させるため、無理を承知で負担をかけるため、走ってみよう、と。
 それからは、750mを四分でという、初日と同じ目標を自分に課して、ウォーキングの途中にジョギングを取り入れました。
 やっぱりきつくて、半分で既に限界にきていて、残り半分は吐きそうになりながら走りきるわけです。どう考えても不健康な感じですが、心肺機能が崩壊しているわけですから、荒治療です。
  
 しかし、いつまで経っても馴れないというか、毎日が辛いわけです。
 もう、歩きに行こうと思うだけで、今日も歩きに行かなくてはと思うだけで、先に吐き気をも催すようになってきました。まぁ、それは今も続いています。
 四分間の走りをするようになって五日で、私は沖縄に行きました。
 旅先でもきちんとウォーキングは続けようと、出来る限り歩くようにしていまして、で、沖縄というか、那覇は妙に歩くにはいいところで、多少広い公園に遊歩道のコースがちゃんとあるんです。
 おもろまちにある新都心公園などは、そのコースがラバー製になっていて、関節への負担を和らげるようになっている優れものです。
 私は、夜に行ったのですが、そのコースにはえらい多くの人が歩いていたり走っていたりしていて、なんじゃこりゃ? と驚いたわけですが、なるほど、沖縄では那覇ラソンやら沖縄マラソンやら、妙にマラソンが盛んな地域だったなぁ、などと思い出したわけです。
 とはいえ、今日ここがその大会会場かと思うほどの人がコースにいたのには驚きました。
 心肺機能が壊滅状態で病人に近い私が、セミプロに混じって走るなどという真似は出来ず、その日はただ歩いてホテルに戻りました。
  
 翌日、私は今度は漫湖公園に歩きに行きました。漫湖とは那覇港の入り口にあるラムサール条約の登録湿地です。その漫湖に隣接する公園です。読み方はマンコです。まんこ。まんここうえん。まんこ。有名ですから触れずにおこうかとも思ったのですが、触れずにいるとキムオクさんに触れずにいたマスコミと同じように不自然ですからヤケクソで連呼しますけど、まんこです。まんこ。まんこを連呼。まんこね。まんこ画像も無修正で貼っときます。まんこ画像をモザイクなしで。

こんだけまんこに触れれば自然になりましたよね。漫湖公園。よく見ると割れてますね。まんこ。
 ちゃんと半周で850mのコースもあり、右手には公園を左手には漫湖を眺めながら快適に歩けるのです。また、コースを外れて三つの橋を渡れば、漫湖のまわりをぐるりと一周でき、また元のコースに戻れるようにもなっています。
 近くには学校も多くあるので、中高生たちに部活の練習にも使われているようで、集団でコースを走っていました。
 私は邪魔にならないように歩いていたのですが、若い子達が一所懸命に走っている姿を見ていると、置いていかれるのがなかなか寂しいものがあったので、かといって、運動部の男子になど必死になっても置いていかれるのは目に見えているので、女子高生の後に続いて私も走ってみました。
 するとどうでしょう。意外なほどに追いついて走っていられるというか、地元で走っていたときと比べて全く苦しくなく、前に女子高生を、左に漫湖を眺めながら、結構走れるんですよ、これが。あんまり辛くない。
 なんか、ようやく心肺機能が通常状態まで復活してきたんじゃないかと、非常に喜ばしい快感とともに漫湖で汁をかいてきたわけです。
  
 ところが、地元に戻って結構いけるのかなと、いつものコースを走ってみると、肺が痛い。肺炎みたいに普通に呼吸してるのにぜぇぜぇ音がして、息苦しい。
 あれは漫湖パワーによるものだったのだろうか?
 あるいは前に女子高生がいないと走れないということなのでしょうか?
 前にいた女子高生が、私にとっての調度良いペースメーカーとなってくれていたおかげで、あのように快適に走れたのではないか、ということです。
 どうも私は、一人で走ろうとすると、走るのが嫌だから早く走るのを終わりたくて、ついついオーバーペースで走ってしまうようで、意識して遅く走ろうとしても、どうも無理っぽいのです。